供養の形を変える時:仏壇処分の方法と手順

失敗しない「魂抜き」と4つの選択肢
海洋散骨や墓じまいを機に、仏壇をどのように手放せば良いか迷っている方へ。
この記事では、仏壇処分の際に最も重要となる「閉眼供養(儀式)」の正しい手順と、供養を省略した場合の重大なリスクを解説。
さらに、お寺や業者、自治体に依頼する方法まで、費用相場と合わせてわかりやすく解説します。
- 散骨・永代供養を検討している方
- 仏壇を粗末にせず、心を込めて処分したい方
- 仏壇処分の費用の目安や、手順を知りたい方
1.【重要】仏壇処分の最初の手順「閉眼供養」とは

仏壇の処分を考える際、まず理解していただきたいのが「閉眼供養(へいがんくよう)」です。
仏壇に「魂が宿る」かどうかは宗派や個人の考え方によって異なりますが、多くの場合、仏壇はご先祖様を祀る大切な依り代です。
そのため、次の供養の形に移る前に、必ず読経による儀式を行う必要があります。
✅ 閉眼供養とは?(儀式の必要性)
閉眼供養とは、仏壇に宿っている(とされる)魂を抜き、元のただの箱に戻す儀式です。
一般的に「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれます。
✅ 宗派による違い
浄土真宗など一部宗派では「魂が宿る」という考え方はありません。
その場合、魂抜きの代わりに「遷仏法要(せんぶつほうよう)」と呼ばれる感謝の読経儀式を行います。
この儀式を済ませることで、私たちは安心して仏壇を処分に移ることができます。
故人への感謝と、ご家族の気持ちの区切りをつけるために最も重要です。
2.【警告】供養をしないまま処分するとどうなる?

物理的には、閉眼供養(儀式)をせずとも仏壇を処分することは可能ですが、これは残されたご家族にとって大きな精神的・倫理的リスクを伴います。
💡 心理的負担:ご先祖様への「心残り」
魂が宿るという考え方をする方にとっては、仏壇をそのまま処分することは「捨てる」行為に等しく、ご先祖様への不敬にあたります。
「粗末にしてしまった」という後ろめたさや、「罰が当たるのでは」という心理的負担が、ご家族の心に長く残る可能性があります。
💡 親族間トラブル:感情的な軋轢の原因に
仏壇の扱いは、親族間の感情が絡む非常にデリケートな問題です。
儀式を省略することで、親族間で「勝手に処分した」と感情的なトラブルに発展するケースが少なくありません。
💡 専門業者の拒否:現実的な手続きの壁
ほとんどの仏壇店や多くの専門業者は、閉眼供養(または遷仏法要などの儀式)が済んでいない仏壇の引き取り・処分を拒否します。
これは、業者が「供養をしないことによるトラブル」に巻き込まれるのを避けるためです。
手続きを進める上で、この点が大きな壁になります。
3.【手続き】お寺や専門店に依頼する

「安心感」や「丁寧さ」を優先したい方には、お寺や仏壇店への依頼が最適です。
1️⃣ 菩提寺(お寺)に依頼する場合
まず菩提寺に連絡し、儀式の日程を調整します。
その後、処分も依頼したい旨を相談します。
費用相場目安:1万円~10万円程度(お布施として)
お布施は明確な金額がないため、お寺とよく相談することが大切です。
儀式のみの費用相場は1万~5万円程度です。
2️⃣ 仏壇店に依頼する場合
多くの仏壇店で、古い仏壇の引き取り・処分サービスを提供しています。
費用相場目安:2万円~8万円程度
提携のお寺で合同供養をしてくれるなど、供養込みのサービスが多いのがメリットです。
新しい仏壇を購入する場合は、割引になるケースが多いです。
4.【費用を抑える】業者・自治体に依頼する

「手軽さ」や「費用」を重視したい場合は、不用品回収業者や自治体の利用も選択肢に入ります。
ただし、事前儀式は必須です。
📈 不用品回収業者
最大のメリットは、自宅からの運び出しも任せられるため手間がかからない点です。
費用相場目安:5千円~3万円程度(別途儀式費用が必要)
注意点: 必ず、事前にご自身で閉眼供養などの儀式を済ませてから依頼してください。
📈 自治体の粗大ごみ
最も費用を抑えられる処分方法です。
自治体の粗大ごみ受付センターに連絡し、指定日に出します。
費用相場目安:500円~3,000円程度(別途儀式費用が必要)
この方法を選択する場合も、事前儀式は絶対に済ませておく必要があります。
運び出しの際、ご近所の目を気にして布などで覆うなどの配慮が必要となります。
5.【まとめ】現代の供養と心の区切り

供養とは、故人への感謝の気持ちであり、その方法に絶対的な正解はありません。
近年、核家族化やマンションなど住宅構造の変化(居間の減少)により、仏壇を置く場所がないという事情から「仏壇離れ」は進んでおり、これは現代社会の自然な流れです。
海洋散骨や樹木葬といった供養方法が広がっているように、ご先祖様への想いと、ご自身のライフスタイルに合わせた供養の形を選ぶことが最も大切です。
仏壇に「魂が宿る」かどうかは宗派や個人の考え方で良いのです。
大切なのは、形式ではなく、ご自身が心を込めて区切りをつけることであり、そのためのサポートとなる適切な処分方法をこの記事でご紹介しました。
どの選択肢も、ご先祖様を想う気持ちがあれば、決して粗末にはならないのではないでしょうか。
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