散骨できる場所とできない場所とは?
散骨にはルールがある!
お墓を閉める持たない「墓じまい」「墓ばなれ」が増えている現代、男性女性を問わず「お墓を持たない」『お墓にはいらずに「散骨」をする』という「選択肢」が多くなっています。
ゼロ葬という言葉もあり、葬式や通夜をしない人が都市部を中心に増え、最近では定着しているように感じています。
最近は都市部だけでなく、地方でも墓じまいが増えているようです。2021年には全国で10万件以上の墓じまいが役所に届けられています。現在では、さらに数が増えているというデータがあります。
年々、墓じまいの数は増えている傾向にあり『お墓がいらない時代が来ている。』と感じる方も多いのかもしれません。
お寺では、檀家(だんか)離れが進んで法要なども簡易化されるか、又はやらないという選択肢も増えているようです。
『お墓参りに何年も行ってない…』「遠くて行けてない…」という人が実は多いのではないでしょうか。
都市部や地方でも息子や娘が離れて生活しているため、仕方なく「墓じまい」する家が増えているのです。
そこで困るのが「遺骨」です。
墓じまいをした場合には「遺骨」が必ず残ります。
その遺骨をどうするのか?
新たに購入したお墓に納める方もいますが、納骨堂や樹木葬に納める方もいます。
もちろん自然に還れる海洋散骨を希望される方も、多くなっていると感じられます。
様々な事情から、火葬後に自宅供養後に散骨する方も、近年増えているのではないでしょうか。
しかし、その散骨をするにも守るべきルールがあります。
日本では、どこでも遺骨をまいたり埋めたりしていい訳ではありません。
遺骨は、散骨できる場所とできない場所があるからです。
散骨できない場所とは?
山や森に勝手にまいてはダメ
散骨をする場合、国や第三者が所有している山や森などの土地に遺骨をまいてはいけません!
所有者が存在しない土地は日本にはありません。
必ず国や企業や個人の誰かが所有しています。
個人で所有している山も多いのです。
勝手に散骨することは、原則として禁止されています。
「禁止」と言うよりトラブルの原因になるので、やってはいけません。
撒いた遺骨に土や枯れ葉などをかけてもダメです。
遺骨を埋めたとみなされます。
遺骨を勝手に自由な場所に撒くことは、「遺棄罪」または「死体損壊罪」になる可能性があるのです。
日本という国は法律が厳しいのです。
他人の土地に勝手に散骨して訴えられた場合、裁判ではまず勝てることはないでしょう。
日本の国土で誰の所有物でもない場所は存在せず、必ず国や市町村、団体や個人が所有しているのです。
その為、どうしてもその土地に散骨したいのであれば、土地の所有者に許可をとらなければいけません。
禁止している自治体も!
埼玉県の「秩父市」は平成17年に条例を作り、「散骨」が禁止されました。
秩父市は観光地でもあるので、風評被害などの懸念もあります。
秩父神社や長瀞など人気観光スポットの多さからではないでしょうか。
実際に散骨を条例で禁止している自治体もありますが、それは業者に対する禁止の条例で個人には適合外だったりします。
思い出の土地に散骨したいのであれば、各自治体に問い合わせてみると良いかもしれません。
散骨できる場所とは?
マナーを守れば大丈夫なのか?
海は散骨しても大丈夫な場所とされています。しかし、それでもマナーが必要です。
「土地ではないので所有権は存在しない」という最高裁の判例がありますが、どこにでも散骨しても言い訳ではありません。
『ある程度、沖に散骨しましょう。』というルールがあります。
海水浴場や海の中にある養殖場付近での散骨は、避けなければなりません。
海産物や海水浴場への風評被害などでの、トラブルになる可能性も否定できないからです。
しかし【このルールも守る業者】と【守らない業者】があり、問題となる場合があります。
だからこそ、業者を選ぶ場合にもモラルを守る必要があります。
まとめ
散骨できる場所と、できない場所はいかがでしたか?
お墓が少なくなっている現状や、散骨の業者の選び方、ルールについて分かっていただけたと思います。
自然葬や墓じまいが増えている現在、散骨は法律では少しグレーな部分があったりします。
沖合いの海は散骨しても大丈夫なので散骨を考えている場合は、海に散骨してくれる業者を選んでおくと安心かもしれません。
散骨について考えると、今の法律が時代に合わなくなっている・・・とも言えます。
今後、散骨に対しての「法律」は大きく変わる可能性もゼロではないのです。
宗教法人が所有する山に、遺骨をそのまま安置して問題にもなっています。
その宗教法人が倒産や破綻した際は、その遺骨はどうなってしまうのでしょうか?
そう考えると、個人も業者も…『ルールを守り散骨すること!』が大事なのではないでしょうか?
マナーやルールを守って、故人を気持ちよくお見送りをしていただければと思います。
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