檀家制度とは何か?
現代社会の檀家制度とは?
檀家(だんか)とは寺院に所属する家のことを言います。一般的には寺院の信徒になって、お布施などの経済的支援することになります。
檀家になるには、寺院と契約を結んで入檀の手続きをする事になります。
葬式やその後の供養をする上で、宗教儀式を取り仕切る役割として寺院は欠かすことができませんでした。
最近では永代納骨堂による供養の場合、檀家にならなくても利用できる場合が多いようです。
長い間、日本の宗教と文化に深く根付いてきたと言って良いでしょう。
しかし現在では、この檀家制度は社会構造に沿うことができず『檀家離れ』や『宗教離れ』が深刻な問題となっています。
この檀家制度が今、危ぶまれていることをご存じでしょうか?
その原因について、今回は考察と解説をしていこうと思います。
~目次~ |
1.檀家(だんか)とは何か?
檀家(だんか)は何かと面倒が
檀家とはお寺にお墓を持ち、管理をお坊さんに頼む制度の事です。
お墓が寺などの寺院にある場合は、家族が「檀家(だんか)」になっていることが多く、逆に市営などの霊園にお墓がある場合は「檀家」に属していない事が多いようです。
檀家になるためには、一般的に入檀料(にゅうだんりょう)を支払います。
入檀料は10万~50万円が相場です |
その他にも、「位牌(いはい)」を安置する「位牌堂」の費用なども必要になってきます。
入檀後も寺院の運営などを支えるため、お布施や寄付金などで支援を続けていかなくてはなりません。
とにかく、何かと費用がかかります・・・
2.檀家になるメリットは?
お盆やお彼岸には、多くの法要が行われます。
檀家になっていると、お盆やお彼岸などの繁忙期でも優先してもらえる場合多くあります。
初めて「法要」などを行う場合、分からい事を、菩提寺の住職に相談することが出来ます。
その他にも、手厚い供養(くよう)を受けられたり、墓の管理をしてもらえたりとメリットは様々のようです。
そもそも葬式仏教と言われ、亡くなった時にだけ仏教徒になること自体を疑問に思います。
しかし日本ではこのような檀家制度が長く続いるのです。
デメリットはないの?
お布施や寄付金がかかる
檀家になるデメリットはやはり、管理費用などの費用がかかる事です。
お布施や「寄付金」などなど、お金に関するデメリットが挙げられます。
寺や寺院は檀家のお布施や寄付金などの支えで成り立っています。
これが無くなってしまうと、お寺でもカンタンに倒産してしまうのです。
檀家になっていると、寺の改修などをを行う場合に「寄付」を求められる場合があります。
この寄付金は必ず払わなければいけない・・・という決まりはないのですが、檀家になっている場合、やはりある程度の寄付金は必要になるようです。
無言の圧力と言う大人の事情なのでしょう。
今の時代には『そぐわない制度?』なのかもしれません…
檀家を辞めるのにも、お金が必要になる
檀家を辞めることを「離壇」と言います。
離檀とは、お寺の土地を借りて建てているお墓を移転もしくは撤去して檀家でなくなることを指して言います。
何らかの事情で「離壇」する場合には離壇料を支払わなければいけません。
・引越しでお墓が遠くなった…・金銭的に檀家でいる事が大変…・親が死んだので…もう…・とくに宗教を信じていないし… |
などなど…
『お墓の引っ越し』『墓じまい』『宗派が変わった』など離壇理由は様々ですが、どのような事情であれ離壇料は支払わないといけません。
相場は
5万~30万円 |
程度が一般的のようですが、なかには何百万もの高額な離壇料を請求された方もいたようです。
なぜ離壇する際、トラブルになるのか?
檀家を辞めるのに高額な離壇料を請求されたとの噂は、誰しもが聞いたことのある噂ではないでしょうか?
インターネットで(檀家 トラブル)と検索すれば間違いなく離壇料のトラブル事例が出てきます。
しかし、この高額請求には檀家側にも多少なりの問題があるそうです。
何の相談もなく急に墓じまいをしたり、一方的に離壇すると『今まで墓の管理などをしていたのに…筋が通らない…』
と言われる可能性があります。
お寺側としては、離壇されると「お布施」や「寄付金」などが集まらなくなります。
寺院側の考えも分からなくはないですが…だからと言って高額な離壇料を請求することも筋が通らないのではないかと思います。
離檀する際は、お墓の引っ越しをする改葬も必要となります。
自治体へ届け出て「改葬許可書」をもらう必要がありますが、この書類をもらうには墓の管理者であるお寺などから書類に捺印をもらわなくてはなりません。
この際にも高額な手数料を請求されることもあり、支払いを拒否すると遺骨に手をつけることができずトラブルになるケースもあります。
このようなトラブルにならないためにも、離壇する際はまず理由を菩提寺の住職に相談して穏便に解決できるようにお互いが理解しないといけません。
それでも高額な離壇料を請求された場合には、専門家などに相談して解決すると良いでしょう。
そもそも、檀家制度は必要なのか?
少子高齢化や地方の人口減少問題などを頻繁に耳にします。
少子化や過疎化が進行し、地方では人口そのものが減少しているため、寺も霊園も維持が困難になっています。
やはり地方の人口減少は、若者などが就学や就職のため、地方から都心に移り住んでいることが原因のひとつだと考えられています。
地方を離れた人達は新たに住んでいる都心部で暮らし、生涯を終えることは今では珍しい事ではありません。
そのまま帰らないのですから、地方にあるお墓を引っ越したり墓じまいすることなども今では当たり前になっています。
そのため寺院などでは檀家離れが深刻な問題になっており、一説によると一部の有名寺院を除いて平均年収300万円でどこも赤字経営なのだそうです。
『そして20年後には今ある寺院の約三分の一がなくなると予想されています。』
檀家からのお布施や寄付金が集まらず経営破綻してしまう寺院が今後は増えてしまうのです。
今現在、日本には寺院が約7万7000ありその数はコンビニエンスストアや郵便局よりも多いのですが今後は寺院は減っていくのでしょう。
ですので、檀家になっている寺院がなくなってしまう可能性は誰も否定できないのです。
「そもそも檀家にならなければよいのではないか?」
と考える方もいるかと思います。
檀家にならなければ寺院などの経営破綻の心配もありません。
お布施や寄付金を用意する必要もないのです。
入壇料や離壇料もいりませんし、金銭的なトラブルは避けられると思われます。
檀家としてのメリットである、「法要」などを優先してもらえたりわからない事を住職に
「相談できなくなるかも…」 |
と思われるかもしれませんが…
実際、年に何回「法要」をするのでしょうか?
お盆やお彼岸にお墓参りをするためだけに、高いお布施や寄付金を払い続けていくのでしょうか。
「檀家」にならなくても必要であれば、今はお坊さんを派遣してくれるサービスがインターネットで検索できます。
料金なども明確に示してありますので安心です。
お坊さんの派遣が有難いのかどうかは個人の判断ではあります!
「お布施はお気持ちで…」などの心配はないのです。
法要などのわからない事は、インターネットで検索すれば殆どのことは解決します。
それでもわからない時には、これもインターネットを使い質問すれば答えてくれるサイトなどもあります。
葬式のことなら葬儀屋に聞くことが一番です。
専門家なのですから。
しかし葬儀屋も事前に詳しく調べましょう。
料金トラブルが少なくない業種のようです。
これは檀家制度を疎かにしようなどの思いではなく、時代にそぐわなくなってきていると言いたいのです。
このような考えは罰当たりなのでしょうか?
先祖の墓が寺院の経営破綻によって墓じまいなどをしたり、お布施や寄付金の負担から金銭的にも余裕がなくなり無縁仏にしてしまうほうがよっぽど罰当たりかと思います。
宝くじが当たると住職がマイクパフォーマンスをして、売店で金運アップのグッツを販売している寺院もあります。
そのような寺院の檀家で、先祖のお墓を守っていくことに違和感を持ってしまうのは私だけでしょうか…
檀家にならず法要の際にだけ、お坊さんを派遣してくれるサービスもあります。
普段からお世話になっているお坊さんならわかるのですが、派遣されてきたお坊さんってどうなんですかね…
そこまでして葬儀に縋らなくてはならないのか疑問にすら思います。
今の葬式仏教徒であれば、お経を読んでくれれば形だけで良いのでしょう…
昔からの風習や習わしを守っていくことは大事です。
しかし檀家制度にあぐらを組んできた、仏教寺院全体への嫌悪感などからお寺の価値は低下したのではないでしょうか。
そんな中で、これから檀家制度に積極的に参加しようと思う人はむしろ少ないでしょう。
この檀家制度については、今後は必要としない人が増えていくのではないかと考えられますが、皆さんはどう思われますか?
江戸時代に宗教統制を目的としてつくられた檀家制度ですが、人口減少や都市部への人口流出による過疎化に歯止めがかからず崩壊寸前と言われています。
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