お墓の未来について
お墓文化っていつから始まったの?
お墓参りに行くとふと思うのが、こんなに大きな石が本当に必要なのか?本当に、2時間半もかけて、この場所にお参りに行かないといけないのか?
家で、先祖をおがんではダメなのか? という事です。
小さい時から当たり前のように、お墓詣りに行っていますが、これはいつから始まった文化なのでしょうか?
今回は、歴史から少し調べてみましょう。
昔は自然に捨てられていた
日本では、庶民が死ぬと、森や山、海などの自然に埋めたり、処分・埋葬されていました。埋葬といえば響きはいいですが、捨てられることも多くあったようです。
3~7世紀ごろまで、天皇や豪族など地位の高い人だけが、きちんと埋葬されていました。位のひくい庶民の遺体は、野原や山などに捨てられるのが一般的でした。
室町~鎌倉時代になると、村のはずれに「共葬墓地」があらわれます。しかし、この頃は、まだ墓石を作る文化はありませんでした。
いつからお墓を作るようになったのか?
出典:wikipedia
江戸時代からお墓を作るようになった
庶民がお墓を作るようになったのは、江戸時代からと言われています。
徳川幕府は「キリシタン」を排除するために、お寺に家ごとの「宗旨人別改帳」というものをつくりました。この頃に、「寺檀制度(じだんせいど)」「寺請(てらうけ)制度」これは、戸籍管理の制度でもありました。
現代の、「戸籍簿(こせきぼ)」のようなものです。
キリシタンが政府からにらまれていたのは、裏では日本のスパイ活動のような事をやり、武器などを大名に密輸していた事があったからです。植民地を増やすために、大名と幕府の仲を悪くさせて、武器とアヘンを売りつけて植民地化してやろうと考えていたわけです。
豊臣秀吉は1597年、長崎で26人のキリシタンを処刑した歴史があります
「スペインはキリスト教の宣教師を各国に派遣し、信者を増やして、その国を征服する」と秀吉は知っていたわけです。
徳川幕府は、ひとつの藩、大名、宗教が力を持ちすぎないように、バランスよく統治をしていました。
参勤交代などは、力をそぐためだけに行われた、ある意味すぐれた制度でした。おかげで、徳川幕府は1603年~1868年までと265年もの長期政権となったわけです。
お墓や檀家制度は、幕府の統治の仕組みとして利用されました。
江戸時代などは、1部の金持ちと、貧困層9割だったため、9割の貧困層が反乱を起こさない仕組みが必要でした。
反乱を起こさせなくするには、宗教を幕府の見方にしてしまえばよいのです。そのため、幕府は寺をてなづけるために、「檀家制度」を作りました。
宗教を統治するには、宗教に対して利益を与える事が大事です。その利益を与える制度として「檀家制度」が出来上がりました。
「宗旨人別改帳」の作成が義務付けられることで、すべての家が檀家となる制度ができました。
そこから、お寺がお墓や葬儀をおこなうようになったのです。
この頃から、お墓という文化が生まれたわけです。
1893年になると、「家制度」と呼ばれる制度ができます。
民法によって、強制的に、家の主、「父」に権力を集中させました。ここから、家を中心にした家族制度が出来上がっていきます。
その後、日露戦争のころから、お墓の石に「OO家」など、名前を刻むようになります。「家単位」のお墓が作られるようになったのは、この頃からと言われています。
大東亜戦争が終わると、「家制度」は廃止され「夫婦制家族」に変わります。
これにより、「家制度」「檀家制度」は崩壊し、お墓もどこに建ててもよくなります。共同墓地や民間の霊園ができたのも、戦後の事であり、実はたいした歴史はありません。
今のお墓の制度とは、幕府の統治として利用されていたものでしかなく、そもそも日本は自然葬の方が、はるかに歴史が長いわけです。
家族の変化
あなたの兄弟は何人いる?
日本では、1つの家族を構成する人数は、戦後からどんどん減り続けています。
1960年代は大家族と呼ばれる、子供が4人も5人もいる家がほとんどでした。おじいちゃんやおばあちゃんに、「兄弟は何人いた?」と聞いて、驚いたのではないでしょうか?
家族を構成する人数は、年々減っています。「平均世帯人員」は1960年は4.12人でしたが、今では2019年には、2.55人まで減少しています。
さらに今後、核家族化が進むだけでなく、結婚しないで死んでいく「独り身」「おひとり様」が40%にまで増えると言われています。
家族制度が崩壊して、お一人様が増えたのは、テクノロジーが進化したからだと言われています。
電話が普及して、ポケベル、PHS、スマホと情報通信はめまぐるしい速さで進歩しました。60年の間に、これだけ進歩するとは、誰が思ったでしょうか?
これだけ早く技術が進んだ要因の一つが「情報」の共有です。
江戸時代は、「情報」が一部の人に独占されていました。コメの相場などは、飛脚を使って情報交換をしていました。
情報を早く握る事、情報を操ることで、民衆を支配でき、お金を支配する事ができました。
技術が発展していくと、「情報が伝わるスピード」が早くなりました。飛脚を使わなくても、電話一つで、お米の値段、金の値段、穀物の値段が分かります。
いまでは、リアルタイムにスマホに通知する事、グラフを見る事すらできます。
情報とは、何も相場だけではありません。
コミュニケーションは言葉を通じて行われています。この言葉を文字情報におきかえたのが、現代のコミュニケーションツールでもある、SNSです。
現代は、人とつながるのに、スマホひとつで、画面をタップしてメッセージのやり取りができます。
わざわざ合わなくても、事が足りてしまうのです。
1960年には、スマートフォンだけでなく、まともな電話すらありませんでした。人は生きていくために、地域社会とつながりを持ち、村のような組織の中で生活をしていきました。
コミュニケーションをとり、おたがいに挨拶をする事で、自分の居場所を確保していました。
しかし現代は、そのコミュニケーションがネットに置き換わっています。
コミュニケーションの変化
SNSはコミュニケーションのツール
スマホ、IT技術が発展する事により、まず変わったのが、人とのつながり方です。
昔は「家族」を中心としていましたが、いまでは、「家族」よりも「仲間」の方が、強いつながりを持ち始めています。
さらに、中学生などは、地域の狭いコミュニティーの中で人間関係が完結していましたが
ネットを上手く活用すれば、地球の裏側にいる、日本文化が好きな同じ年齢の学生とコミュニケーションを取る事ができます。
これだけ技術が進化してくると、もはや40代以上の人はついていきません。
なぜなら、40代をこえると、新しい事に挑戦するよりも、古いものにしがみつきたくなっていくからです。
40代。まさに子育てをしている世代です。
家族の変化とお墓
SNSはコミュニケーションのツール
子供は、ネットを使い世界の人、他の県の人と交流していきます。さらに、年齢も関係なくなっていきます。
今後、質問アプリなどが増えていくと、親に質問する人は減っていきます。ネットを使えるようになるまでは、親に聞きますが、ネットを使い始めたら、親に質問をしなくなるでしょう。
ネットには親よりもはるかに賢い他人が存在しているからです。まだレスポンスで親の方が勝っていますが、AIが進歩すれば、一瞬で人と人工知能が答えを返してくれます。
「クオラ」というアプリをご存知でしょうか?
このアプリでは、生活のあらゆることが質問できるようになっています。さらに、質問に回答してくれるのは、一流の経営者、エンジニアなどです。
地方にはよい先生がいません。よい先生とは知識や技術に優れていることを指します。
そのような先生達はより有名な教育の場へと移って行くのです。都心部にある名の知れた教育の場などにです。
よい先生がいないと言う事は、子供はよい教育が受けられません。
より良い教育を受けたいのであれば地方から都心部に移るしかないのです。
残念ではありますが、地方の電車に乗れのるほど、都心の路線から外れれば外れるほど、服装、マナーが悪くなっていきます。
「都心部の電車のマナーも…」そう思う方もいるでしょう。
よく考えてみて下さい。まず人口密度が違います。一部のマナー違反者が目立っているに過ぎません。
あまり知られていませんが、東大に入っている学生の親は、基本的に一般の人々よりもはるかにお金持ちが多いのです。
つまり、可処分所得が低い地域には、人が集まらなくなり、過疎化していくスピードが上がるわけです。
自動運転が増えても同じです。
都市にいないと、才能は開花できません。地方では、人も、仕事も、墓もなくなっていきます・・・
すると、当たり前ですが、江戸時代から続いた「檀家制度」がものすごいスピードでなくなっていきます。
墓じまいが増えている
お墓の変わりを作ればいい
このサイトでは、「墓じまい」が増えています。今後、「葬式」「お墓」という文化は、急速になくなっていく。と何度も言っています。さらに、その後どうなるのか?まで予測しています。
出典:ギズモード
情報が簡単に手に入る時代です。お墓に疑問を持つ人が増えてもおかしくありません。 現に私も、お墓について全く知りませんでした。
徳川時代から「お墓」はビジネス化しているし、日本は元々、自然葬です。「檀家制度」はお金がかかるから、時代と共に消えていく運命にあり、一部の金持ちだけの物になります。それは、3~9世紀の日本と同じです。
豪族や地位の高い人だけ、お墓を維持していけばいいのです。庶民は身を削ってまで、お墓を維持して、見栄を張る必要はありません。
墓じまいは増え続ける
「お墓」を維持する金額をご存知でしょうか?
お墓を維持する金額。すぐに分かる人は、毎年、お金を払っている人だけです。
自分の子供が知っている訳がありません。20代の人で答えられる人は10%もいないのではないでしょうか?
お墓がある場合、お寺、お墓の維持費にかかる費用の平均は、年4,000円~20,000円です。
なんだ、たいした事がないな
と思った人、少し考えてみましょう。
お寺では行事がおこなわれ参加料や寄付金などもかかるのです。行事の費用は1回約1万円から3万円です。さらに、お墓に行くまでの交通費、食事代などを合わせたら、年間で4万ほどかかります。
さらに、旦那さんと奥さん、お墓が二つあった場合、倍の金額と時間が負担としてかかります。
もしお墓がなければ、年間4万ほど費用がうきます。
このような遺骨と戒名がセットになっているキューブなども販売されています。ちなみに、4万ほどで購入できます。
これだけネット社会になった現代、「イエ制度」も崩壊し、「地域社会」とのつながりもない。それなのに、お墓を維持する必要性が本当にあるでしょうか?
本当にお墓参りして、時間とお金をかける必要があるでしょうか?
故人を大事にする想いや、ふとした時に思い出し、懐かしむくらいでいいのではないでしょうか?
ご先祖様に感謝する事は大事ですが、ご先祖様をクヨクヨ思い出すよりも
自分が最後のバトンを渡されたと思い、精一杯努力して、社会に貢献できる人間になる方が、ご先祖様も「よくやった!!」と喜ぶのではないでしょうか?
最新の技術を使い進化させる
わたしは、今後ホログラムと人工知能を使い、仏壇を作ればいいと思っています。
ホログラムという技術をご存知でしょうか?これは、空間に360度の3Dの映像を出す技術です。
ここに生前の映像、故人の思考、行動、表情などをプログラムしておけば、自宅で故人と会話できるようになります。
それは・・・
と思う人がいると思いますが、これからの時代は、そうなっていきます。
檀家の減少。お葬式をしない「ゼロ葬」。「地方自治の人口減少」「少子化」。今後、収入は増えない中で、年間4万円もの時間的なコストをかけるよりも、ホログラム技術による、卓上仏壇を作った方がはるかに生産性は高く、時代にマッチしていると言えます。
その他にもスマートフォンを使ったお墓参り代行サービスもあります。
地方にお墓があってお参りに行けない方や高齢で移動が困難な方に人気があるようです。
代行業者に委託してお墓参りをしてもらい、その映像をスマートフォンからリアルタイムに見ることが出来ます。
スマートフォンの画面を見ながら先祖を供養する…
賛否両論あるかと思いますがこれが現在のスマートフォンを駆使したお墓参りなのです。
このようにお墓参りのあり方にはかなりの変化が表れています。
お墓がいる、いらないの話ではなく、時代に合わせてお墓も変化していくべきだ。
と言いたいわけです。
時代は変わり続ける
人は、ネットつながるようになり、地域社会、人とつながる必要性がどんどん希薄になっています。
それにともない、「家族」という制度、「家族」という繋がりがなくても、社会で生きていけるようになりました。
「家」でお墓に入るのもいいですが、「仲間」という単位で友人同士で入る事だっていいはずです。そもそも、お墓を持たない、維持しないという選択肢もあります。
アメリカでは、IT技術が進んだおかげで、悩みは教会ではなく、「パソコンでグーグルを検索して」答えを自分で探すようになりました。人に頼るから、自分で探す。
神父にきくよりも、「ググッた方」がより正確な答えにたどり着けると、多くの若者が思っている訳です。
これにより、キリスト教に入った人がどんどん、宗教をやめています。あまり知られていませんが、それが現実なのです。
技術はコミュニケーションを変えライフスタイルを変えました。そして、今後、さらにそのスピードは加速していくと考えられます。
今回は、お墓の歴史から先端技術、過疎化、教育など横断しながら考えてみましたが、あなたはどう感じたでしょうか?
ぜひ、自分の頭で考え、行動をするようにしてください。常識は、時代と共に変化していきます。そして、いつの時代も自分の頭で考え行動した人が社会を良い方向に変えていくのではないでしょうか?
最後にもう一度だけ言います。
「常識は時代と共に変化していきます。」
あなたは、お墓の未来についてどう思いますか?
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