火葬後に残った遺骨の行方とは?知られざる残骨灰の真実
残った遺骨はどうなる?
現在の日本では、温度を調節しながら遺体を火葬することが一般的です。
実は高温で焼きすぎてしまうと、骨のすべてが灰になってしまいます...
故人が亡くなると火葬した後に遺族や親族で「故人の骨」を拾って、「骨壺(こつつぼ)」に遺骨を納める収骨(骨上げ)という作業を行います。
その後、
四十九日法要を行い、お墓や納骨堂に収める家庭が多いようです。火葬場(かそうば)で収骨をした経験を持つ人は多くいると思います。
そこで、ふと疑問に思ったことはないでしょうか?
「骨壺に納められなかった遺骨や灰は、どうなるのだろう??と
今回はそんな、誰もが知りたい火葬と骨について掘り下げていきます。
~目次~ 5.【違い】東日本と西日本の収骨文化:全収骨と部分収骨の違い |
1.残骨灰とは?遺骨との違いと法的解釈
残った灰は骨なのか?
火葬をすると、遺骨が灰のように残ることがあります。
火葬後に骨壺(こつつぼ)に収めずに、残った遺骨や灰のことを『残骨灰』いいます。
残骨灰を「遺骨」だと考えれば、亡くなった人の一部であると考える事ができます。
「収骨」はすでにしたので、残骨灰は「廃棄物ではないか?」と考える人もいるのです。
収骨後に残った遺骨は法的に自治体の所有となり、「不用品もしくは廃棄物(一般廃棄物)として処分することができる」ことになっています。
『焼骨』であれば厚生労働省の管轄になりますが、残骨灰については厚生労働省の管轄外だとされています。
厚生労働省によれば
宗教的感情の対象として扱われる場合は廃棄物ではないが、宗教的感情の対象として扱われない場合は廃棄物とすること。 |
とあり、宗教的感情の対象外であれば、廃棄物として扱われてしまうことになってしまいます。
また
「火葬場における有害化学物質の排出実態調査及び抑制対策に関する報告書」で残骨灰の取扱い方法について
①墓地埋葬等に関する法律の趣旨に鑑み適正に取扱うこと。 |
との見解を示しておりますが、自治体の残骨灰処理業務に対する業者選考方法についても標準化が図られていないのが現状のようです。
2.火葬場での供養:埋葬の現状と課題
灰・骨はどこに行くのか?
多くの火葬場では敷地内の「残骨灰永代供養墓」に埋葬されるか、厚生労働省認可の自然サイクル保全事業協同組合により、全国にある寺院の「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」に集められて埋葬されることが一般的です。
この「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」は千葉、静岡、石川、の3県にあり北海道を除く46都道府県の残骨灰の供養に対応しています。
しかし
地域により「残骨灰」の発生率も変わります。毎年10トン以上の残骨灰の処理をする都道府県もあるようです。
ひとつの地域から、毎年10トン以上の残骨灰が出ています。
全てではないですが、全国から集まると思われる3か所の「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」だけでこれからも対応するには限界があるのではないかと思われます。
3.残骨灰の売却:有価金属の回収と自治体の実情
火葬後に発生した残骨灰は、全てがそのまま供養されている訳ではありません。
自治体によっては中間処理を業者に委託し、残骨灰を売却を行います。
残骨灰には金歯や銀歯などの有価金属(金・銀・プラチナ・パラジウム)が含まれており売却益は自治体の収入源となります。
その売払により得られる収入は、全額または一部を斎場の運営費に使い、斎場の利用環境向上等に使用されているようです。
灰になったとはいえ遺体の一部を業者に処理を委託するにおいても、ゼロ円や1円といった超低額で契約が成立するケースもあります。
このような委託方法については賛否両論あるかと思われますが、現在では入札制度を採り入れ競売する自治体なども増えているようです。
4.廃棄される遺骨?処理方法と環境への配慮
遺骨(残骨灰)には、有害なダイオキシンや六価クロムなどが含まれていることがあります。
その為、「残骨灰処理業者」によってキチンと処理されています。
その後は圧縮された残骨灰は、処理業者から払い下げされます。
植物の栄養として、肥料などとして処理することもあるようです。
5.東日本と西日本の収骨文化:全収骨と部分収骨の違い
火葬後の焼骨を全て骨壺に収める全収骨か、喉仏のように主要な骨だけを骨壺に収める部分収骨かで収骨の方法に違いがあります。
主に東日本では全収骨の地域が多く、西日本は「部分収骨」の地域が多いとされています。
そのため東日本と西日本では、収骨に使う骨壺のサイズが異なります。
西日本は部分収骨の地域が多いので、収骨をせずに焼骨は全て火葬場(斎場)にて処理をしてもらうという方法もあるようです。
しかし東日本では全収骨の習慣が根強く、遺骨を引き取らないことは難しいようです。
また当然ではありますが、西日本では部分収骨の地域が多いため残骨灰の発生率も多くなります。
6.残骨灰の所有権:誰のもの?法律の曖昧さと自治体の判断
「残骨灰」の所有権は各自治体、市町村とされています。
しかし、残骨灰の扱いについては明確に法律で定められていません。
厚生労働省の通達を、各自治体ごとに判断しています。
多くは、処分されているのが現状のようです。
業者に処理を委託している自治体により、対応は多岐にわたります。
昔は、裏山や敷地内に捨てるなど不適切な処理を行っていた所あったようですが、今では適切に処理されているようです。
7.変わりゆく供養の形と残骨灰との向き合い方
残骨灰は法律上の位置付けがありません。
遺骨の残りは、各地の自治体によって適切な方法で処理されています。
植物の肥料に利用されることもあり「自然に還っていく」という考えもできます。
「残骨灰」は遺骨と見なさないという裁判の事例もあります。
体の一部であった残骨灰が、遺族や親族の意に反する処理をされても文句は言えません。
コロナ禍の影響かは定かではありませんが、葬儀場にて収骨(骨上げ)をしない相談は月に10件前後の割合であるようです。
「家族葬」「直葬」「ゼロ葬」などの言葉が注目されるあたり、「収骨をしない!」という方法が増えてくるかもしれません。
また、「遺骨を残さずに灰にまで出来ないのか?」との問い合わせもあるようです。
海外では高温で火葬する為、遺骨は全て灰にしてしまいます。
遺骨として残すのは、アジア圏一部の国だけな様です。
当たり前だと考えられていた『遺骨をお墓に納める文化』は徐々に廃っていくことでしょう。
そして死後にお金をかけない供養方法を考えてみては如何でしょうか。
供養方法は人それぞれ様々なのですから。
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