無縁遺骨の保管期限が自治体で違う理由

横浜・大阪の実例から制度を解説
引き取り手のない遺骨は、自治体が対応する場合があります。
しかし、火葬後の遺骨をどのくらい個別に保管するのかについて、全国一律の期間が決められているわけではありません。
この記事では、無縁遺骨が自治体で保管される背景や法律上の位置づけ、横浜市・大阪市の実例をもとに、自治体によって取り扱いが異なる理由をわかりやすく解説します。
この記事はこんな方におすすめ
1.【理由】遺骨が残される背景

人が亡くなったあと、通常は家族や親族が火葬の手続きを行い、遺骨を引き取ります。
しかし、亡くなった方に身寄りがない場合や、親族がすぐに確認できない場合、親族がいても遺骨の引き取りに至らない場合があります。
こうしたとき、状況に応じて自治体が火葬や遺骨の管理に関わることがあります。
✔ 身元や親族関係の確認に時間がかかる場合。
✔ 遺骨を引き取る人が確認できない場合。
✔ 親族がいても引き取りに至らない場合。
自治体が遺骨を保管することになった場合でも、すぐに合同墓などへ納められるとは限りません。
一定期間は個別に保管し、その間に親族への連絡や引き取りの確認を行う自治体もあります。
一方で、どのくらいの期間保管するのか、期間を過ぎた遺骨をどのように扱うのかは、全国で同じではありません。
引き取り手のない遺骨への対応方法や保管期間は、自治体によって異なります。
個別保管の期間中であっても、返還の手続きや必要書類などは自治体ごとに確認する必要があります。
特に注意したいのは、遺骨が合同で埋葬・収蔵されたあとです。
ほかの遺骨と一緒に納められる方法では、後から親族が見つかったとしても、故人の遺骨だけを分けて返してもらうことが難しくなる場合があります。
そのため、「自治体が保管しているから、いつでも引き取れる」と考えるのではなく、現在どのような状態で保管されているのかを早めに確認することが大切です。
2.【対応】引き取り手のない遺骨の現実

引き取り手のない遺体や遺骨への対応は、一部の自治体だけが抱えている問題ではありません。
厚生労働省が全国の自治体を対象に行った調査では、2023年度に自治体が取り扱った「引き取り手のない遺体」は、全国で約4万2,000人と推計されています。
✔ 2023年度は全国で約4万2,000人と推計。
✔ 自治体が取り扱った引き取り手のない遺体が対象。
✔ 火葬後の遺骨だけを数えた数字ではありません。
ここで注意したいのは、約4万2,000人という数字を、そのまま「無縁遺骨が4万2,000柱ある」という意味では捉えられないことです。
この調査は、墓地埋葬法や生活保護法などに基づき、自治体が火葬等を行った引き取り手のない遺体について調べたものです。
その後に遺族へ遺骨が引き渡される場合もあるため、すべてが自治体で長期間保管される遺骨になるわけではありません。
それでも、全国の自治体が毎年多くのケースに対応していることは、この数字から読み取れます。
厚生労働省は、高齢化の進展や一人世帯の増加などを背景として、引き取り手のない遺体や遺骨が増加しているとの指摘があることから、自治体の対応状況について調査を行っています。
親族の存在が確認できても、さまざまな事情から遺体や遺骨の引き取りに至らない場合があります。
そのため、単純に「身寄りのない人の遺骨」と考えるだけでは、現在の状況を正確に捉えることはできません。
自治体が対応する件数が多くなれば、火葬の手配だけでなく、親族調査や連絡、遺骨の保管などに必要な業務も発生します。
そして問題となるのが、火葬後の遺骨をいつまで個別に保管するのかという点です。
実は、この保管期間には全国共通の年数が定められていません。
3.【期限】全国一律ではない理由

無縁遺骨の保管期限が自治体によって違うのは、火葬後の遺骨を何年間個別に保管するのかについて、全国一律の年数が法律で定められていないためです。
引き取り手のない遺体への対応に関係する法律の一つが、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)です。
墓地埋葬法第9条では、死体の埋葬または火葬を行う人がいないときや、判明しないときは、死亡地の市町村長が行うことを定めています。
✔ 埋葬・火葬を行う人がいない場合の市町村の役割。
✔ 火葬後の遺骨を何年間保管するかは定めていない。
✔ 全国共通の「3年」「5年」などの期限はない。
つまり、法律によって自治体が対応する仕組みは設けられていても、その後の遺骨を「いつまで個別に保管するのか」まで全国一律に決められているわけではありません。
厚生労働省が自治体向けに示した手引でも、引き取り手のない遺体への対応について、火葬場や遺骨の保管場所、拾骨の慣習、庁内の役割分担など、地域によって事情が異なることが示されています。
そのため、火葬後の遺骨についても、自治体ごとに保管方法やその後の取り扱いに違いが生じています。
インターネット上で「無縁遺骨は○年間保管される」と紹介されていても、それが全国すべての自治体に当てはまるとは限りません。
実際の保管期間や、その後どのように埋葬・収蔵されるのかは、遺骨を管理している自治体への確認が必要です。
また、自治体によっては「合祀」「合葬」「埋葬」「無縁納骨堂への安置」など、遺骨の取り扱いを表す言葉にも違いがあります。
大切なのは言葉だけで判断せず、個別に保管される期間と、その期間を過ぎたあとに遺骨がどのように扱われるのかを確認することです。
実際に横浜市と大阪市を比べてみると、個別に保管する期間や運用には違いがあります。
4.【違い】横浜・大阪の制度を比較

引き取り手のない遺骨の保管期間は、自治体によって実際に違いがあります。
ここでは、公表されている資料から確認できる横浜市と大阪市の例を比べてみます。
| 自治体 | 個別保管 | 期間経過後 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 原則3年経過後※ | かろうとへ埋葬 |
| 大阪市 | 最長約2年 | 南霊園へ引継ぎ |
※横浜市は、保管日から最初に到来する4月1日から3年経過しても引取人がいない遺骨が対象です。
📌 横浜市の場合
横浜市では、行旅死亡人などの引き取り手のない遺骨について、久保山納骨堂などを利用した保管・管理が行われています。
令和2年4月1日以降に保管された遺骨は、保管日から最初に到来する4月1日から3年が経過しても引取人がいない場合、納骨堂後方の「かろうと」へ埋葬する運用となっています。
埋葬前には遺骨から不純物を取り除き、専用の機器などを使って粉末状にすることも仕様書に記載されています。
一方、個別に保管されている間に引取人が現れ、所定の手続きが行われた場合には、遺骨を引き渡す仕組みも設けられています。
出典:横浜市「令和7年度行旅死亡人等の遺骨保管及び久保山納骨堂管理委託 設計図書」
📌 大阪市の場合
大阪市では、遺族による引き取りのない遺骨を職員が収骨し、遺骨保管室で個別に管理する運用があります。
その保管期間は最長約2年とされ、保管中に遺族などから申し出があった場合には、定められた手続きに沿って返却されます。
保管期限を過ぎた遺骨については、火葬許可証とともに大阪市設南霊園へ引き継ぐことが、大阪市の資料で示されています。
✔ 横浜市では3年を基準とした運用。
✔ 大阪市では最長約2年間の個別保管。
✔ 期間後の遺骨の取り扱いにも違いがある。
横浜市と大阪市だけを比べても、個別保管の期間や、その後の遺骨の取り扱いが同じではないことが分かります。
また、ここで紹介した期間を、ほかの自治体にもそのまま当てはめることはできません。
遺骨を引き取りたい場合は、インターネット上の一般的な情報だけで判断せず、遺骨を管理している自治体に現在の保管状況と期限を確認することが重要です。
5.【合祀】家族が確認しておきたいこと

引き取り手のない遺骨について家族や親族が後から知った場合、まず確認したいのは、遺骨が現在どのような状態で保管されているのかということです。
自治体によって個別保管の期間や、その後の取り扱いが異なるため、「まだ保管されているだろう」と自己判断せず、担当窓口へ確認することが大切です。
✔ 遺骨が現在も個別に保管されているか。
✔ 個別保管の期限はいつまでなのか。
✔ 引き取りに必要な書類や手続きは何か。
✔ 期限を過ぎると遺骨はどう扱われるのか。
個別に保管されている段階であれば、所定の手続きを行うことで遺骨を引き取れる場合があります。
引き取ったからといって、必ずお墓へ納骨しなければならないわけではありません。
お墓への納骨のほか、永代供養や手元供養、海洋散骨など、家族の事情や故人の希望に合わせて供養方法を考えることができます。
ほかの遺骨と一緒に埋葬・収蔵された場合、その後に故人の遺骨だけを取り出すことが難しくなることがあります。
「引き取りたい」と考えている場合は、個別に保管されている間に自治体へ確認することが重要です。
また、無縁遺骨の問題は、亡くなったあとの家族だけが考えるものではありません。
一人暮らしの方や、親族に遺骨の管理を頼む予定がない方は、自分の遺骨をどうしてほしいのかを生前に決めておくことも一つの方法です。
希望する供養方法や連絡してほしい人を書き残しておくだけでも、亡くなったあとの手続きをする人に意思を伝えやすくなります。
無縁遺骨の保管期間には、全国共通の年数があるわけではありません。
だからこそ、「何年間保管されるのか」だけでなく、「現在どのように保管され、期限後にどうなるのか」まで確認することが大切です。
横浜市と大阪市の例からも分かるように、引き取り手のない遺骨への対応は自治体によって異なります。
家族の遺骨について気になることがある場合は、まず遺骨を管理している自治体へ確認し、現在選べる方法を知ることから始めてみてください。
東京や関東近県で海洋散骨をご検討でしたら、お気軽に海洋散骨オフィス一凛へご相談ください。
より多くのお客様の声はこちらからご覧いただけます!
→ 海洋散骨オフィス一凛のGoogle口コミはこちら
散骨についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。






























