ドローン散骨って本当にできる?知っておくべき日本の規制と現状を徹底解説
ドローン散骨の可能性と課題。法律・飛行規制・申請手続きのポイント
近年、私たちの生活に身近になりつつあるドローン。
空撮や測量、さらには物流など、その活用範囲は広がるばかりです。
そんな中、「ドローンで散骨はできるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
テレビや映画で見るような風景から、ドローンで遺骨を空から撒く…そんなイメージを抱いている方もいるでしょう。
実際に、ドローン散骨を検討している業者や、一部ではサービスを提供している例も存在します。
しかし、結論から言うと、現在の日本ではドローン散骨を「簡単に行うことはできない」のが現状です。
この記事では、ドローン散骨の可能性に触れつつ、なぜ難しいのか、その背景にある日本の厳しい規制や法律、そして具体的なリスクについて詳しく解説していきます。
新しい散骨方法に興味がある方、ドローン散骨を検討中の方はぜひご一読ください。
1.ドローン散骨とは?その現状と可能性
ドローン散骨とは、文字通りドローンを使って故人の遺骨を空中から散布する葬送方法を指します。
遺骨は事前に粉骨され、ドローンに搭載されて指定された場所の上空で散骨されます。
ドローン技術の進歩は目覚ましく、より長距離・長時間の飛行が可能になり、悪天候への耐性も向上しています。
将来的には、より手軽で安全なドローン散骨が実現する可能性もゼロではありません。
事実、一部ではドローン散骨を専門に手掛ける事業者も存在し、そのニーズは少しずつ高まっているようです。
2.なぜ「ドローン散骨は簡単ではない」と言われるのか?
ドローン散骨は一見すると革新的で魅力的な方法に見えますが、現在の日本の法律や社会的な側面から見ると、決して簡単に行えるものではありません。
その主な理由として、ドローンに関する厳格な規制と、実際に運用する上での様々なハードルが挙げられます。
例えば、無許可でのドローン飛行は航空法などの法律に抵触する可能性がありますし、遺骨を上空から散布すること自体への法的解釈や社会的な受容もクリアすべき課題です。
ここからは、具体的な規制と懸念点について詳しく見ていきましょう。
3.ドローン飛行に関する具体的な規制と法律
ドローン散骨が「簡単ではない」最大の理由は、ドローンに関する日本の厳しい法律と規制にあります。
これらをクリアしなければ、ドローンを飛行させること自体ができません。
飛行禁止エリアの厳格な規定
ドローンには、飛行が厳しく制限されているエリアがあります。
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空港等の周辺: 航空機の航行の安全を確保するため、空港やヘリポートの周辺は飛行が禁止されています。
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緊急用務空域: 災害発生時などに緊急用務を行う航空機が飛行する空域は飛行が禁止されます。
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150m以上の上空: 地上または水面から150メートル以上の高さの空域での飛行は原則禁止です。これは東京タワーの展望台(約150m)と同じくらいの高さです。
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人口集中地区(DID地区): 人口が密集している地域での飛行は、落下時の危険性を考慮し原則禁止です。東京湾などの市街地に近い海上も、この人口集中地区に該当する場合があります。
これらのエリアでドローンを飛行させる場合は、国土交通省の許可が必須となり、申請しても許可が下りないケースも少なくありません。
ドローンからの「物の投下」は原則禁止
ドローンの飛行ルールとして、飛行中に「物件を投下すること」は原則禁止されています。
遺骨を「物件」と見なすかどうかは解釈が分かれる部分ではありますが、現状では遺骨の散布もこれに該当すると考えられる可能性が高いです。
もし許可を得て投下するにしても、非常に厳格な条件が課されることになります。
予期せぬ転落の危険性
海上でドローンを飛行させる場合、風を遮るものがほとんどないため、強風の影響をダイレクトに受け、転落のリスクが高まります。
また、上空で海鳥やカモメなどと衝突する可能性もゼロではありません。
世界的に見ても、ドローンが野鳥に襲撃される事例の報告は多くあります。
もしドローンが転落し、遺骨が回収不能になった場合、故人やご遺族にとって計り知れない悲しみとなるでしょう。
煩雑で時間のかかる飛行申請
上記のような規制エリアでドローンを飛行させる場合、国土交通省航空局だけでなく、管轄の海上保安部、さらには市区町村の港湾管理課や海岸管理課など、複数の機関への許可申請が必要となります。
これらの申請には1ヶ月以上の時間を要することも珍しくなく、非常に煩雑な手続きが必要です。
天候に大きく左右される運航
ドローンは基本的に天候に非常に左右されます。
強風や雨、視界不良など、少しでも条件が悪いと飛行が困難になったり、安全な運用ができません。
飛行申請は「いつ」「どこで」飛行させるかを明記する必要があるため、悪天候で延期や中止になった場合、再度一から申請をやり直さなければならないという手間が発生します。
港則法と海上でのドローン飛行
特定の港内やその周辺海域でドローンを飛行させる場合、港則法という法律が関係してきます。
港則法第31条には「特定港内又は特定港の境界付近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない」とあり、ドローン飛行もこの「作業」に該当する可能性があります。
もし港長の許可なく海上保安庁の管轄する海域でドローンを飛行させた場合、港則法第49条により「6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
海上保安庁に止められ、事情聴取を受けるような事態にもなりかねません。
4.ドローン散骨以外の多様化する散骨方法
ドローン散骨は現状ではハードルが高いですが、故人のご遺志やご家族の希望を叶えるための新しい散骨方法は他にもたくさん登場しています。
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花火散骨: 遺骨を花火に仕込んで打ち上げる方法です。特許実用新案も提出されており、実際にサービスを提供している業者もあります。
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バルーン散骨: 特殊な大きな風船に遺骨を乗せて、成層圏まで打ち上げる方法です。
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宇宙葬: 遺骨の一部をロケットに乗せて宇宙空間へ打ち上げる、最も壮大な散骨方法です。
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海底散骨: 遺骨を特殊な容器に入れ、海中に沈める方法です。
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ヘリコプターやセスナを使った空中散骨: ドローンとは異なり、人が搭乗する航空機からの散骨も選択肢としてあります。
これらの方法は、故人を偲ぶセレモニーの形が多様化していることを示しています。
それぞれに特徴や費用、法的・倫理的な側面があるため、検討する際はよく調べるようにしましょう。
5.ドローン活用検討と安全へのこだわり
私たち海洋散骨オフィス一凛でも、かつて「船上での散骨風景をドローンで撮影するサービス」を検討したことがありました。
ドローンを使えば、普段見ることのできない角度から、美しく荘厳な散骨の様子を記録できると考えたからです。
しかし、実際に検討を進めていく中で、上記で述べたようなドローン飛行に関する法的・運用的なハードルの高さを改めて痛感しました。
特に、ご依頼者の安全確保、そして万が一のドローンの落下によるリスクなどを考慮すると、現在の技術や規制下では、乗船された皆様に安心して提供できるサービスとは言えないと判断し、導入を見送ることにしました。
6.まとめ:ドローン散骨の今後の展望と注意点
ドローン技術は日々進化しており、将来的にはドローン散骨がより現実的な選択肢となる可能性も秘めています。
事実、福岡県行橋市では、ふるさと納税の返礼品として「翔海葬(ドローンによる海洋散骨)」の寄付金を募っていた事例もあり、地域によっては許可が下りやすい場所も存在するようです(寄付金は28万円以上必要だったようです)。
しかし、現状の日本の法律や規制を鑑みると、簡単にドローン散骨ができるわけではないということを理解しておくことが重要です。
ドローンを使った散骨や撮影を依頼する際は、必ず許可申請の有無、そして安全対策について業者に確認しましょう。
故人を想う気持ちから様々なセレモニーの形が生まれるのは自然なことです。
しかし、故人への最後の別れがトラブルに終わることのないよう、適切な知識を持ち、信頼できる業者を選ぶことが何よりも大切です。
東京や関東近県で海洋散骨をご検討でしたら、ぜひ海洋散骨オフィス一凛にご相談ください。
ご依頼者の安全と海洋散骨のクオリティーは業界トップレベルとご評価いただいており、Google口コミにも良い評価が多数反映されています。故人の個性やご家族の希望を最大限に尊重した、安心できるお見送りをご提案させていただきます。
関連記事:散骨業者の選び方とは?
出典:ドローンスクールナビ
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