火葬場で残った遺骨はどうなるの?
現在の日本では、火葬後の遺骨は、温度を調節しながら遺体を焼き。焼いた後に、砕かれて灰の状態にするのが一般的です。(高温で焼きすぎてしまうと、すべてが灰になってしまいます^^;)
故人が亡くなると、火葬した後に、遺族や親族で「故人の骨」を拾って、「骨壺(こつつぼ)」に骨を納める収骨(骨上げ)という作業を行います。
その後、四十九日法要を行い、家のお墓や納骨堂に収める家庭がほとんどです。火葬場(かそうば)で収骨をした経験を持つ人は多くいると思います。
そこで、ふと疑問に思ったことはないでしょうか?
「残った遺骨や灰はどうなってしまうのか…?」
骨壺に収まらなかった遺骨や灰はいったいどうなってしまうのでしょうか。
~目次~ |
残骨灰とは?
残った灰は骨なのか?
火葬をすると、遺骨が灰のように残ることがあります。
火葬後に骨壺(こつつぼ)に収めずに、残った遺骨や灰のことを『残骨灰』いいます。
残骨灰を「遺骨」だと考えれば、亡くなった人の一部であると考える事ができます。
「収骨」はすでにしたので、残骨灰は「廃棄物ではないか?」と考える人もいるのです。
『焼骨』であれば厚生労働省の管轄になりますが、残骨灰については厚生労働省の管轄外だとされています。
厚生労働省によれば
宗教的感情の対象として扱われる場合は廃棄物ではないが、宗教的感情の対象として扱われない場合は廃棄物とすること。 |
とあり、宗教的感情の対象外であれば、廃棄物として扱われてしまうことになってしまいます。
火葬場(斎場)によって供養される?
灰・骨はどこに行くのか?
多くの火葬場では敷地内の「残骨灰永代供養墓」に埋葬されるか、厚生労働省認可の自然サイクル保全事業協同組合により、全国にある寺院の「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」に集められて埋葬されることが一般的です。
この「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」は千葉、静岡、石川、の3県にあり北海道を除く46都道府県の残骨灰の供養に対応しています。
しかし、地域により残骨灰の発生率も変わりますが、毎年10トン以上の残骨灰の処理をする都道府県もあるようです。
ひとつの地域から毎年10トン以上の残骨灰です。
全てではないですが、全国から集まると思われる3か所の「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」だけでこれからも対応するには限界があるのではないかと思われます。
売却される遺骨(残骨灰)
火葬後に発生した残骨灰は、全てがそのまま供養されている訳ではありません。
自治体によっては中間処理を業者に委託し、残骨灰を売却を行います。
残骨灰には金歯や銀歯などの有価金属(金・銀・プラチナ・パラジウム)が含まれており売却益は自治体の収入源となります。
その売払により得られる収入は、全額または一部を斎場の運営費に使い、斎場の利用環境向上等に使用されているようです。
灰になったとはいえ遺体の一部を業者に処理を委託するにおいても、ゼロ円や1円といった超低額で契約が成立するケースなどもあります。
このような委託方法については、賛否両論あるかと思われます。
遺骨は処理されてしまう!
遺骨(残骨灰)には、有害なダイオキシンや六価クロムなどが含まれていることがあります。
その為、「残骨灰処理業者」によってキチンと処理されています。
その後は圧縮された残骨灰は、処理業者から払い下げされます。
植物の栄養として、肥料などとして処理することもあるようです。
全収骨と部分収骨
火葬後の焼骨を全て骨壺に収める全収骨か、喉仏のように主要な骨だけを骨壺に収める部分収骨かで収骨の方法に違いがあります。
主に東日本では全収骨の地域が多く、西日本は「部分収骨」の地域が多いとされています。
そのため東日本と西日本では、収骨に使う骨壺のサイズが異なります。
西日本は部分収骨の地域が多いので、収骨をせずに焼骨は全て火葬場(斎場)にて処理をしてもらうという方法もあるようです。
しかし東日本では全収骨の習慣が根強く、遺骨を引き取らないことは難しいようです。
また当然ではありますが、西日本では部分収骨の地域が多いため残骨灰の発生率も多くなります。
遺骨(残骨灰)は誰のモノ?
「残骨灰」の所有権は各自治体、市町村とされています。
しかし、残骨灰の扱いについては明確に法律で定められていません。
厚生労働省の通達を、各自治体ごとに判断しています。
多くは、処分されているのが現状のようです。
業者に処理を委託している自治体により、対応は多岐にわたります。
昔は、裏山や敷地内に捨てるなど不適切な処理を行っていた所あったようですが、今では適切に処理されているようです。
まとめ
残骨灰は法律上の位置付けがありません。
遺骨の残りは、各地の自治体によって適切な方法で処理されています。
植物の肥料に利用されることもあり「自然に還っていく」という考えもできます。
「残骨灰」は遺骨と見なさないという裁判の事例もあります。
体の一部であった残骨灰が、遺族や親族の意に反する処理をされても文句は言えません。
コロナ禍の影響かは定かではありませんが、葬儀場にて収骨(骨上げ)をしない相談は月に10件前後の割合であるようです。
「家族葬」「直葬」「ゼロ葬」などの言葉が注目されるあたり、「収骨をしない!」という方法が増えてくるかもしれません。
また、「遺骨を残さずに灰にまで出来ないのか?」との問い合わせもあるようです。
当たり前だと考えられていた『遺骨をお墓に納める文化』は徐々に廃っていくことでしょう。
死後にお金をかけない供養方法を考えてみては如何でしょうか。
供養方法は人それぞれ様々なのですから。
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