生前戒名の光と闇──ネットで"死後の名"を買うということ
生前戒名は安い?危ない?メリット・デメリットを整理
戒名(かいみょう)とは、仏教で仏弟子になった証として授かる名前です。
宗派によっては「法名」や「法号」とも呼ばれます。
本来は生前に授かるものでしたが、現代の日本では亡くなった後に授かるのが一般的になっています。
しかし今、終活の一環として「生きているうちに自分の戒名を決める」人が増えいるようです。
これが、いわゆる「生前戒名」です。
仏教では、生前に死後の準備をすることを「逆修(ぎゃくしゅう)」と呼び、大きな功徳(くどく)があるとされています。
こうした流れの中で、戒名をサービスとして提供する「生前戒名ビジネス」にも注目が集まっています。
1. なぜ今、「生前戒名」が選ばれるのか?
人生の終わりに向けて、自分自身で準備を進める「終活」が一般的になってきた現代社会。
葬儀・お墓・遺言と並んで、「戒名」もまた“人任せにしない”という考え方が広まりつつあります。
特に、以下のような背景があります。
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戒名料(お布施)が不明瞭で、遺族が困惑するケースが多い
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自分の生き方を反映した名前を選びたいという希望
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菩提寺がない、あるいは無宗教だが最低限の仏教的儀式は取り入れたいというニーズ
このような状況から、「自分で納得して戒名を授かる」という選択肢が支持されるようになりました。
2. 生前戒名サービスの種類と料金相場
生前戒名ビジネスには、主に次の2つの形態があります。
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寺院による授与(伝統的形式)
菩提寺や縁のある寺院に依頼して授かる戒名です。僧侶との面談・相談を通じて、個人の想いを反映させた戒名が授与されます。宗派や戒名の格式(信士・居士・院号など)によって金額が異なり、相場は10万円〜30万円前後です。
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専門業者・オンラインサービス
ネット申込み・郵送・Zoom面談など、現代的な方法で簡単に依頼可能です。寺院と提携しており、戒名は正式な僧侶が作成します。実店舗を持たない分、コストが抑えられているため、相場は2万円〜10万円前後(高位の戒名は別途加算)です。
※ 生前に授かる場合、死後の戒名と比べて2〜5割ほど安くなることが一般的です。
3. 生前戒名を利用する4つのメリット
生前に戒名を授かることには、精神面・経済面の両方でさまざまな利点があります。
ここでは代表的な4つのメリットをご紹介します。
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経済的負担の軽減
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生前に準備することで、葬儀時の急な出費を避けることができます。料金も事前に明示されることが多く、「お布施=いくら払えばいいか分からない」問題を回避できます。
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遺族の精神的な負担を減らせる
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急な葬儀準備の中で、戒名を即座に決めなければならないという場面は少なくありません。生前に準備しておくことで、家族の精神的・時間的負担が軽減されます。
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自分の希望を反映できる
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自分の生き方や価値観を反映した戒名を、僧侶と相談しながら授かることができます。まさに、「人生の締めくくりを自分の言葉で表現する」という発想です。
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仏教的な功徳を積む
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仏教では、生きているうちに死後の準備を行う「逆修(ぎゃくしゅう)」が善行とされており、縁起が良いと考えられています。
4. 生前戒名サービスの注意点とリスク
生前戒名はメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。
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菩提寺とのトラブルに注意
もし先祖代々お世話になっている菩提寺がある場合は、必ず事前に相談しましょう。他所で戒名を授かると、葬儀や納骨を断られる可能性があります。
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家族との認識のズレ
生前に戒名を授かったことを家族が知らないと、葬儀の際に再度戒名を依頼してしまい、二重費用やトラブルの原因になります。必ず文書やエンディングノートで共有しておくことが重要です。
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サービス提供者の信頼性を確認
非常に安価なサービスの場合、寺院や僧侶の実在性・資格・宗派の正当性が不明なケースもあります。以下の点を確認するのがおすすめです。-
寺院名や僧侶の名前が明記されているか
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宗派が明示されているか
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葬儀・納骨に使える正式な戒名かどうか
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5. なぜ今、「生前戒名」が広がっているのか?
しかし、少しだけ立ち止まって考えてみませんか。
今、ネットで「生前戒名」と検索すれば、ランキング形式の比較サイトや、料金表つきのサービス、オンラインで完結する申し込みページがいくつも出てきます。
誰でも、どこでも、クレジットカードひとつで“戒名”を手に入れられる時代です。
本来、戒名とは──僧侶との関係、仏門への理解、家族との絆、死後の供養……
そうした背景があってこそ授かる、宗教的で精神的な名前だったはずです。
それが、檀家制度が崩れ、墓を閉じ、寺との縁も信仰心もないまま、“戒名だけ”が商品として切り離されて流通している。
これは果たして、進化でしょうか? それとも形骸化でしょうか?
ビジネスとして広がりつつある「生前戒名」は、その意味と必要性を──今、あらためて問われているのかもしれませんね。
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