究極の自然葬「Capsula Mundi」とは?日本の樹木葬と比較して考える

「自然に還りたい」その願いを叶える埋葬法、Capsula Mundiとは?
「あなたは、死んだらどうなりたいですか?」
多くの人が「自然に還りたい」と願う一方で、現実には「お墓」という選択肢がほとんどです。
しかし、世界では新しい「死のあり方」を提案する動きが生まれています。
中でも、イタリアで考案された「Capsula Mundi(カプスラ・ムンディ)」は、究極の自然葬として注目を集めています。
これは、単なる埋葬方法ではなく、人と自然との共生をデザインした壮大なプロジェクトです。
この記事では、Capsula Mundiがなぜ「究極」と呼ばれるのか、そして現代の日本の樹木葬や海洋散骨とどう違うのかを、専門家の視点から徹底的に解説します。
1. 樹木葬で「自然に還る」というイメージは本当?

1-1. 日本の火葬文化が根付いた背景
日本では亡くなった方を火葬し、遺骨を埋葬することが一般的です。
古くは土葬が主流でしたが、土地の不足や衛生面の問題から、ここ60年ほどで火葬の普及率がほぼ100%になりました。
しかし、火葬された遺骨をお墓に納めるという方法は、本当に「自然に還る」と言えるのでしょうか?
1-2. 「自然に還る」ってどういうこと?
多くの人が抱く「自然に還りたい」という願いは、単に土の中に埋められることではありません。
それは、「自分の死が、新しい命の糧となり、自然の循環の一部になること」ではないでしょうか。
この願いを叶える方法として、現在、樹木葬や散骨といった「自然葬」が注目されています。
1-3. 樹木葬・海洋散骨...それぞれの特徴
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樹木葬: 遺骨を樹木の下に埋葬する方法です。しかし、中には遺骨が骨壺に入ったまま埋められたり、他の人と共同の区画に納められたりする形式が多く、実質的には「共同墓地」に近いものも少なくありません。
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海洋散骨: 故人の遺骨を粉末状にして海に撒く方法です。法律に則った方法であり、遺骨が自然に還るという意味では、非常に理にかなった自然葬と言えます。
2. 【海外事例】Capsula Mundi(カプスラ・ムンディ)とは?

2-1. 「墓地を森に変える」という壮大なコンセプト
イタリアのデザイナー、Anna Citelli氏とRaoul Bretzel氏が考案したCapsula Mundiは、「墓地を森に変える」という壮大なプロジェクトです。
冷たい墓石を並べる代わりに、故人の眠る場所を木々が茂る森に変え、新しい生命を育む場所とすることを目的としています。
2-2. 卵型カプセルの素材と仕組み
このプロジェクトの中心となるのが、卵型のカプセルです。
このカプセルは、ジャガイモやトウモロコシのでんぷんから作られた生分解性プラスチックでできています。
故人の遺体や遺灰をこのカプセルに納め、土中に埋めます。
そして、その真上に記念樹となる1本の木を植えることで、カプセルと遺体がゆっくりと分解され、木の養分となっていく仕組みです。
2-3. 人を「追憶の森」の一部にするという思想
Capsula Mundiは、故人を「追憶の森」の一部として還すという思想に基づいています。
故人を偲ぶ場所は、冷たい墓石ではなく、生き生きと育つ記念樹。
家族や友人は、その木を手入れしながら、故人との思い出をいつまでも感じることができるのです。
3. Capsula Mundiはなぜ「究極の自然葬」なのか?

3-1. 日本の「樹木葬」と根本的に違う点
日本の多くの樹木葬が、遺骨を骨壺のまま埋める形式であるのに対し、Capsula Mundiはカプセルが自然分解し、遺体(または遺灰)が木の養分となる「生命の循環」をデザインしています。
この「還る」というプロセスこそが、Capsula Mundiが真の自然葬、つまり「究極」と呼ばれる所以です。
3-2. 故人が「記念樹」として生き続ける新しい供養の形
墓石の管理や継承に悩むこともなく、故人の存在を「生きている木」として感じられることは、遺された家族にとって大きな心の支えとなります。
死を「終わり」ではなく「新しい生命の始まり」として捉える、前向きな供養の形と言えるでしょう。
3-3. 地球環境に優しいエコな設計
墓石の採掘・加工・運搬や、墓地の維持管理にかかる環境負荷をなくすことができるCapsula Mundiは、現代社会におけるエコロジカルな視点も兼ね備えています。
4. 日本での実現は可能?Capsula Mundiが乗り越えるべき課題

4-1. 日本の墓地埋葬法という大きな壁
Capsula Mundiは非常に魅力的な埋葬方法ですが、残念ながらイタリアでも法的な認可はまだ降りていません。
そして日本の法律では、遺骨の埋葬は許可された墓地で行うことが原則であり、火葬後の遺骨が前提となっています。
遺体をそのまま埋葬するCapsula Mundiは、現行の法律に適合させることが非常に困難です。
4-2. 火葬が前提の文化と宗教観
日本では火葬率がほぼ100%であり、遺体をそのまま土に還すことへの心理的・文化的な抵抗感が強いのが現実です。
4-3. 広大な土地と地域住民の理解
「追憶の森」を作るには広大な土地が必要となります。
また、遺体が埋葬されることへの心理的な抵抗から、「心霊スポット」などの風評被害を懸念する地域住民の理解を得ることも難しいでしょう。
5. まとめ:あなたの「自然に還りたい」という願いを叶えるには

Capsula Mundiは、人の死を自然の循環へと還元するという意味で、まさに究極の自然葬と言えます。
遺体を生分解性のカプセルに納め、一本の木へ生まれ変わらせるという思想は、死を終わりではなく、新たな命の出発点として捉えるものです。
しかし、現在の日本では火葬が法律と文化の前提となっており、Capsula Mundiのような方法をそのまま導入するのは現実的には難しい状況です。
また、遺体をそのまま土に埋葬するという行為自体が、文化的にも心理的にも受け入れられにくい側面があります。
これは、長年にわたり火葬が定着してきた日本社会特有の価値観によるものでしょう。
それでも、Capsula Mundiが投げかけている問い――「死後、私たちは自然とどうつながるのか」というテーマは、これからの葬送文化を考えるうえで、確かな示唆を与えてくれます。
すぐに実現できなくとも、この思想や価値観を知ることで、「死」に対する向き合い方は、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
【画像・引用元】:Capsula Mundi 公式サイト
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