墓じまいと供養の新しい形:お墓は本当に「負の遺産」なのか?
お墓は本当に必要なのか?常識が揺らぐ現代のお墓事情
「お墓は長男や家族が代々守っていくもの」――そう考えるのが“当たり前”だと思っていませんか?
しかし、その常識は今、大きく変わりつつあります。
核家族化や経済的な理由、そして私たちの生活環境の変化によって、お墓を手放す「墓じまい」を選ぶご家庭が全国的に増えているのです。
特に、仕事の関係で都市部に住む方が増え、遠方にあるお墓が大きな負担になっているケースは少なくありません。
年に数回しか行けないお墓は、本当に必要なのでしょうか?
もし、あなたが代々受け継いだお墓を「負担だ」と感じているなら、それはもしかすると「負の遺産」になりつつあるのかもしれません。
このブログでは、現代のお墓事情と、負の遺産を残さないための新しい供養の選択肢について、詳しく解説していきます。
~contents~ 2.【墓じまいの現状】 全国で年間10万件以上!改葬数のリアル 3.【多死社会と供養】 これからのお墓のあり方、どう考える? |
1. 【墓じまいとは?】今あるお墓をどうする?基本を解説
墓じまいとは、今あるお墓を撤去し、墓地を更地の状態に戻すことです。
そして、お墓から取り出したご遺骨を別の方法で供養し直すことを指します。
もっと簡単に言えば、今あるお墓を「閉じる」ということです。
墓じまい後の供養方法は多岐にわたります。
主な方法としては、次のようなものがあります。
- 合祀墓(ごうしぼ):他の方のご遺骨と一緒に埋葬されるお墓
- 永代供養墓:寺院や霊園が永続的に管理・供養してくれるお墓
- 樹木葬:シンボルツリーの下に埋葬される自然葬
- 散骨:海や山などに粉骨したご遺骨を撒く供養
- 自宅供養:ご遺骨を自宅で保管する方法
最近では「新しくお墓を購入する」「お墓を建てる」という方は減少し、こうした新しい供養方法を選ぶ方が増えています。
特に、「夫の実家にあるお墓には入りたくない...」と考える女性も少なくありません。
ご依頼者様からも「お墓の管理が大変だから」というお声を多くいただきます。
都心部で働き、地元のお墓に頻繁に行けないことが、墓じまいを選ぶ大きな理由の一つです。
墓じまいは「改葬(かいそう)」とも呼ばれます。
改葬には、役所から「改葬許可証」を取得するなどの手続きが必要です。
しかし、地方によっては散骨のような自然葬は「遺骨の引っ越し」には当たらないと判断され、許可が下りないケースも一部で存在します。
手続きの際には、事前に自治体へ確認することをおすすめします。
2. 【墓じまいの現状】全国で年間10万件以上!改葬数のリアル
墓じまいは、都心部だけでなく地方でも驚くべき速さで増えていることをご存知でしょうか?
地方で育った若者が都市部の大学に進学し、そのまま都会で就職することは今や当たり前です。
東京や大阪、名古屋、福岡といった都市部に人口が集中し、地方の商店街が寂れていくように、田舎では仕事が減り続けています。
その結果、実家に残されたお墓が「遠い」「管理が大変」といった理由で、大きな負担になっているのです。
現在、全国で年間100,000件以上の「改葬」(墓じまい)が行われています。
これは単純計算すると、各都道府県のどこかで毎日約274件もの墓じまいが行われているということ。
この数字をどう感じるかは人それぞれでしょう。
しかし、決して少ない数ではないことは明らかです。
少子高齢化や核家族化が進む現代において、この墓じまいの増加傾向は今後も続くと予測されています。
3. 【多死社会と供養】これからの「お墓」のあり方、どう考える?
今の日本は、未婚率の上昇や出生率の低下が続き、人口減少を止めることができない状況にあります。
歴史を見ても、一度出生率が下がった先進国でそれが回復した例はほとんどありません。
日本も例外ではなく、この人口減少は深刻な社会問題です。
当然、お墓を代々受け継ぐ「承継者」の数も不足していくことは明確です。
2010年以降、日本の人口は一貫して減少していますが、一方で改葬数(墓じまい件数)は増加傾向にあります。
これは、少子化が進み「多死社会」と呼ばれる現代において、「お墓を継続して管理することが難しい」と感じる方が増えている何よりの証拠と言えるでしょう。
4. 【先祖への思い】「お墓をなくす」ことへの抵抗感と向き合う
墓じまいを考える際、多くの方が「ご先祖様に申し訳ない…」「自分の代でお墓をなくしてしまうなんて…」と葛藤を感じる方も少なくありません。
この抵抗感は、先祖を敬う気持ちから来るものであり、決して間違った感情ではありません。
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみませんか?
「先祖代々のお墓」と言っても、現在納められているのは、せいぜい3~4世代のご遺骨がほとんどです。
日本の火葬の普及が広まったのは昭和の初期頃であり、それ以前に土葬された先祖のご遺骨がすべてお墓にあるとは限りません。
もし、お墓の管理が子孫にとって大きな負担になっているとしたら、ご先祖様は本当にそのことを望むでしょうか?
「子孫に負担を押し付けてまで、お墓を守ってほしい」と考える先祖は、おそらくいないでしょう。
あなたがもし、未来の先祖になったとしたら、子孫にどのような供養を望みますか?
この視点から考えてみると、お墓のあり方に対する見方も変わってくるかもしれません。
5.【次世代のための選択】 子どもに負担をかけない供養とは
「お墓を継いでもらうこと」は、もしかすると、未来の世代に「お墓問題」を押し付けていることにもなりかねません。
日本では、今後も物価が上がり、収入がなかなか上がらない状況は続くでしょう。
格差が広がる中で、お墓の管理費用も、次世代にとってはさらに大きな負担になっていく可能性があります。
さらに、日本の少子高齢化は顕著です。
総人口に占める15歳未満の割合が減り続ける一方で、65歳以上の割合は大きく増加すると予測されています。(2015年12.5%→2045年10.7%へ、65歳以上は2015年26.6%→2045年36.8%へ増加予測)
このままでは、お墓を管理し続けることが、物理的にも経済的にも難しくなるのは明らかです。
次世代に「お墓問題」を先送りするのではなく、私たち自身の代で、これからのお墓のあり方や供養の選択肢を真剣に検討する時期が来ているのではないでしょうか。
6.【まとめ】お墓は本当に「負の遺産」なのか?未来のための選択を
墓じまいの増加は、「管理の負担」「金銭的な負担」「承継者の不在」という、現代社会が抱える大きな課題を反映しています。
そして、その負担を未来の子孫に残さない選択は、決して間違ったことではありません。
「世間体があるから…」と無理にお墓を残すことも選択肢の一つでしょう。
しかし、もしあなたが今、お墓のことで少しでも負担や抵抗感を感じているのであれば、それはもう「負の遺産」と呼べるものになってしまっているのかもしれません。
火葬が一般的になり、ご遺骨をお墓に納めるようになった昭和の時代から、平成、そして令和へと時代は移り変わりました。
それに伴い、お墓に対する私たちの考え方も大きく変化しています。
「お墓を持つこと」が当たり前ではない時代が、すでに訪れているのです。
高額な費用をかけてお墓を持たなければならない、そうしないと世間体が悪い――そんな古い風潮こそが、実は「負の遺産」なのかもしれません。
この現実に気づき、未来の子孫のために新しい供養のあり方を考える人こそが、本当に賢明な選択をしていると言えるのではないでしょうか。
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