散骨に関するそれぞれの悩みとは?
散骨に関する悩みとは?
お墓を持たなくて良い、お墓参りに行かなくて良いことで、知名度が上がっている「散骨」「海洋散骨」。
もちろんですがメリットがあれば、デメリットがあるのが世の常です。
そんな散骨ですが、海洋散骨を検討している方にも悩みがあるようです。
・葬送としての散骨なのか?・遺骨処分としての散骨なのか? |
その悩みの解決方法はあるのでしょうか…
~目次~ |
人それぞれの悩み
散骨を検討した際に、どのような悩みがあるのでしょうか?
良くある悩みが、以下のような「悩み」です。
継承者がいない為の不安…遠く離れた墓に通えない…お墓の管理費などが負担…お墓を建てる余裕がない…遺骨を抱えて悩んでいる… |
など、人によってお墓の悩みはさまざまなようです。
時代の変化に伴い、お墓も変化しています。
お墓がない
散骨を検討する大きな理由として、お墓がないので『散骨を検討している』という方がいます。
一般的な考えでは、人は亡くなるとお墓に入ると思われがちですが…
全ての亡くなった方が、お墓に入るかと言うと違います。
全国にはお墓に納めていない遺骨は、推定200万柱以上あると言われています。
「お墓に入れない…」という方は多く、事情も様々あるようです。
一番多い理由は、お墓に入れない...お墓を作れない...という理由のようです。
故人の遺志でお墓を作らないこともありますが、遺族がお墓を用意する費用を準備できなく、お墓を持てない事も少なくはないのです。
入れるお墓がない
人は亡くなると財産を残すことがあります。お金や不動産などの『相続財産』と、お墓や仏壇などの『祭祀財産』に分けられます。
『相続財産』は仮に子供が3人いたのであれば平等に分けることが一般的です。
しかし『祭祀財産』の場合、民法で定められており誰か1人しか継ぐことが出来ないのです。
その為、先祖代々のお墓はあるものの、相続していないので入るお墓がないと思い込んでしまうのです。
これは誤解であって、お墓に一緒に入れる続柄には墓地や霊園によって決まりがあります。
多くの場合「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」と定められています。
兄弟は2親等ですし、いとこであれば4親等なので本来であれば同じお墓に入れるのです。
ですが実際には、次男三男や長女次女であっても、同じお墓に入ることは稀なようです。
仮に血縁関係にあったとしても、生活の拠点が違うことは多くあります。
その場合は同じお墓に入ることはあまりないようです。
お墓を継げない
2020年国勢調査の人口等基本集計の確定結果が発表されました。
その結果2020年の生涯未婚率は、男25.7%、女16.4%となっています。
国勢調査が始まって以来、過去最高記録だそうです。
お墓を相続していても、残る家族がいない状況でお墓が守り切れない現実があるのです。
日本では先祖の墓を、子ども、孫、ひ孫、と代々継承していくという仕組みでした。
しかし未婚の為、墓守が途絶えてしまいお墓を継げない深刻な問題に悩ませられてしまうのです。
これは既婚者であっても子どもがいなかった場合、同じことが考えられるでしょう。
女性では、結婚して家を出ていることもあります。
その場合、実家のお墓を継ぐことは極めて困難な事なのかもしれません。
お墓に入れたくない
様々な事情から身内の遺骨をお墓に納めたくない方も。
これには複雑な家庭環境が原因であったりします。
虐待やDVでの家庭崩壊、犯罪者や反社会的勢力などで勘当(親子の縁を切ること)状態であったりと、その要因は様々です。
しかし、そんな身内であったとしても多くの場合は、遺骨を引き取らなければいけません。
「安らかに眠ってほしい…」とも思えず、できることなら「捨ててしまいたい…」とも考えてしまうのです。
遺骨は捨てると罰せられます。
その為、葬送として散骨し遺骨を手放す方がいることも事実なのです。
死別と再婚
既婚者であった場合には、パートナーと死別した際に遺骨が発生します。
お墓に納めることもあるでしょうが、自宅で手元供養として保管している方も多いようです。
やはりこれにも金銭的な事情があり、「仕方なく自宅で…」という方も。
供養方法に決められた定義はないので、様々な供養の仕方で良いと思います。
しかしパートナーとの死別後に新たな縁があり、再婚した場合にはどうでしょうか?
遺骨はどうしたら良いのでしょう。
お互いの新たな親族との理解も必要ですし、死別したパートナーの親族にも遺骨をどうするか話し合わなければなりません。
このまま手元に置いていくのか?新たにお墓を購入して納めるのか?納骨堂などに納めるのか?死別したパートナーの親族に渡すのか? |
これは非常に複雑な事情なのです。
同意が取れない
故人の希望が散骨であっても、身内の同意が得られず散骨出来ない事もあります。
親族は散骨に同意しているが、遠い親戚などに反対される事案も実際にありました。
とくに地方の田舎では、このような同意が取りにくいようで、親族同士でのトラブルもあるようです。
生前から散骨を希望するのであれば、予め親族に相談などをして、散骨の意思を伝えておくことも必要なのかもしれません。
しかし散骨を否定する方の多くは、遺骨はお墓に入れることが当然のことで当たり前だとの考えが強いです。
同意を取ることは、なかなか難しい事なのかもしれません。
高齢者や都市部から離れた地域などでは、檀家制度が未だに強いため散骨に対しての理解は低いようです。
まとめ
散骨を希望される方の考えは様々です。
故人の希望なのか?親族の希望なのか?葬送の散骨なのか?遺骨の処分なのか?
事情は様々ですが遺骨=墓の方程式はすでに破綻しかかっています。
墓石に強い拘りを持つのは日本人ぐらいです。
ドイツでは子孫がいなくなったら、遺骨は国家が管理してくれます。
韓国や台湾などでは、国や自治体が管理してくれる場所もあります。
欧州では遺体をどうやって全部なくすか、遺骨を残さない方法の開発が進んでいます。
10年、20年後には、日本でも石のお墓を維持しようとする事が、珍しくなっているかもしれません。
そう考えると、散骨を希望される方は現在のニーズにあった考えを持った方々で、時代の流れに柔軟に対応出来ているのかと思われます。
今後、お墓は負の遺産になることもあります。
そんな負の遺産を残さないのは、散骨だけではないでしょうか。
お墓が必要か不必要かの感情論ではなく、合理的なのかどうかで判断して欲しいものです。
後世に負の遺産を残さない為に、何が出来るのかを考えてみては如何でしょうか…
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