【完全版】改葬許可申請の全手順を解説!失敗しないお墓の引っ越しガイド

改葬許可に必要な書類

改葬許可申請を完全解説!失敗しない「お墓の引っ越し」手順

現在埋葬されているご遺骨を別の場所へ移すことを「改葬(かいそう)」と呼びます。

多くの場合、お墓の管理の負担軽減や、海洋散骨・樹木葬といった新しい供養の形へ移行するために行われます。

重要なのは、この改葬手続きは「墓地、埋葬等に関する法律」で義務付けられている公的な手続きであり、無許可で行うと法的な問題につながる可能性があるということです。

「何から手をつければいいか分からない」「遠方で何度も役所に行けない」と不安に感じる方もご安心ください。

煩雑な改葬許可申請の流れと注意点を、一つずつ丁寧に解説します。

 

 

1. 改葬が必要となる理由と流れの全体像

改葬予定の霊園の墓石


改葬を希望される背景には、主に以下のケースがあります。

改葬の理由が、後の手続きや、新しい供養先を決める上で重要になります。
 

  • 後継者不足の解消
    : お墓を継ぐ人がいない、または遠方で管理が困難な場合。

  • 霊園の変更/閉鎖
    : 墓地自体の閉鎖や、より立地・価格のよい霊園に移したい場合。

  • 地理的理由
    : 故人の埋葬地が遠方で、墓参りが難しい場合に遺骨を自宅近くに移したい場合。

  • 供養方法の変更
    : 海洋散骨、樹木葬、納骨堂など、新しい供養の形を選択したい場合。
     

▲ 改葬許可申請手続きの全体ステップ

改葬手続きは複雑に見えますが、主に以下のステップで進みます。
 

ステップ 概要 役割
① 移転先の決定 新しい供養先(墓地、散骨業者など)を決め、「受け入れ証明書」を取得する。 申請者
② 申請書作成 現在の墓地管理者から「埋葬証明書」をもらい、自治体へ申請する。 申請者
③ 許可証の交付 自治体から「改葬許可証」を受け取る。 自治体
④ 遺骨の取り出し 改葬許可証を提示し、現在のお墓から遺骨を取り出す(墓じまい)。 墓地管理者 / 専門業者
⑤ 移転と供養 遺骨を新しい供養先へ移し、埋葬または散骨を行う。 申請者 / 供養業者

 


 

2. 改葬先の決定と「受け入れ証明書」の取得

改葬許可書のサンプル書類


改葬手続きを始める第一歩は、遺骨の新しい供養先を決めることです。
 

▲ 認可された供養先を選ぶ

新しい移転先は、自治体から認可された墓地、霊園、納骨堂である必要があります。

海洋散骨をご希望の場合は、自治体によっては「改葬許可申請」の際に、「散骨を行う業者からの受け入れ証明書(またはそれに準ずる書類)」が必要となる場合があります。

改葬後の供養として海洋散骨をご検討の場合は、まずはその供養方法を扱う専門業者にご相談ください。自治体ごとの手続きや必要書類の違いについて、専門的なサポートを提供している業者を選ぶと安心です。
 

▲ 移転先の「受け入れ証明書」を取得する

新しい供養先が決まったら、その管理者から「受け入れ証明書」を発行してもらいます。

この書類は、後の改葬許可申請に必ず必要となる重要書類です。

 


 

3. 改葬許可申請書の作成と必要書類

改葬許可書の作成をする高齢女性


改葬手続きで最も手間がかかるのが、この申請書類の準備です。書類の不備は手戻りの最大の原因となります。
 

▲ 改葬許可申請に必要な3つの基本書類

原則として、以下の3種類の書類が必要です。これらは、遺骨が現在どこにあり、次にどこへ移すのかを証明するものです。
 

  1. 改葬許可申請書
    :現在遺骨が埋葬されている自治体(市役所・区役所など)の窓口で入手またはダウンロード。
     

  2. 埋葬証明書
    :現在遺骨が埋葬されている墓地・霊園の管理者に発行してもらう。「申請書」の下部が証明欄になっている自治体もあります。
     

  3. 受け入れ証明書
    :新しい移転先(墓地・霊園・散骨業者など)の管理者から発行してもらう。
     

▲ その他の必要書類

自治体や改葬の理由によっては、以下の書類が求められることがあります。事前に役所へ確認しましょう。
 

  • :改葬理由書(改葬の経緯や理由を簡潔に記載したもの)

  • :申請者本人の身分証明書(提示または写しの提出)

  • :戸籍謄本や除籍謄本(申請者と故人との関係を証明するため)

 


 

4. 改葬許可証の交付と遺骨の移動作業

墓じまいして整地された墓地


すべての申請書類を、現在遺骨が埋葬されている場所の自治体窓口に提出し、不備がなければ「改葬許可証」が交付されます。
 

▲ 改葬許可証の役割

この許可証は、遺骨を取り出すための唯一の証明書です。

これがないと、現在の墓地の管理者は遺骨の取り出し(墓じまい)を許可できません。

交付には申請から数日〜数週間かかることが一般的です。
 

▲ 遺骨の取り出し(墓じまい)と移送

改葬許可証を現在の墓地管理者に提示し、遺骨を取り出します。

この作業は、専門の石材店や業者が行うことが一般的です。
 

  • 遺骨の収集
    : 専門業者が、墓石の移動や掘り起こしを行い、遺骨を新しい骨壺に移します。
     

  • 遺骨の搬送
    : 家族で運搬、または専門業者が郵送・運搬します。許可証は必ず遺骨とセットで運びましょう。

 


 

5. まとめ:失敗しない改葬手続きのために

役所に改葬許可書を提出する女性


改葬許可申請の手続きは、故人の供養の形を変えるための大切なステップです。

手続きが複雑で時間がかかることもありますが、以下の2点を押さえることが、失敗や手戻りを防ぐ鍵となります。

改葬手続きで最も重要なのは、正確な情報と必要書類を集めることです。
 

  1. 現在のお墓がある自治体(市役所・区役所)
    : 申請書の入手、提出先、地域独自の規定の確認。
     

  2. 新しい供養先の管理者(霊園、散骨業者など)
    : 「受け入れ証明書」の発行依頼、供養方法の相談。
     

手続きを始める前に、必ずこの2か所に連絡を取り、ご自身のケースで何が必要かを具体的に確認しましょう。

遠方のお墓からの改葬や、平日に役所へ行く時間がない場合は、行政書士などの専門家に手続きの代行を依頼することが非常に有効です。

また、新しい供養の形として海洋散骨や樹木葬をご検討の場合は、改葬後のスムーズな受け入れ体制や、手続きの相談窓口を設けている信頼できる専門業者を選ぶことが、後の安心につながります。

改葬手続きを完了させることが、新しい供養への第一歩です。

焦らず、一つずつ正確に進めていきましょう。

 


 

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