手元供養品のあれこれ
手元供養とは何か?
手元供養は自宅などに遺骨の全部、または一部を保管して供養する方法の事を言います。
このように手元供養と言い出したのは、今から30年ほど前からで比較的新しい供養方法となります。
元々、自宅で遺骨を供養されてる方はいましたが、手元供養とは言っていなかったようです。
この手元供養が広まった理由としては『お墓がない・お墓を継承できない…』といったことや、暮らしている住居に仏間がなく仏壇が置けないと言った、住環境の変化が背景にあるようです。
自宅などでの供養方法も様々で、遺骨を5~8寸の「骨壺(こつつぼ)」に入れたまま供養する方法もあります。
今では遺骨をパウダー状にして小さな骨壺に入れ替えたり、少量の遺骨をペンダントに入れ身に着けたりとイロイロな供養方法があります。
価格は高くなりますが、遺骨をダイヤモンドやルビーといった人工宝石に加工し供養することも可能になりました。
本来であれば、遺骨はお墓に入ることが当たり前だと考えられていましたが価値観の多様化なのでしょう…
今ではお墓などに拘らず、手元で供養することも当たり前になって来ているのです。
この手元供養ですが…注意点があることをご存じでしょうか?
手元供養の注意点とは?
今では様々な方法で、手元供養品や遺骨の加工供養などが出来るようになりました。
しかし、良く考えてみて下さい。
『その手元供養の遺骨は・・・最終的にどうするのでしょうか?』 |
遺骨をそのまま「骨壺」に入れていたりパウダー状にしているのであれば、問題にはなりません。
後からお墓などに納めたり散骨することも可能だからです。
しかし、遺骨を加工していた場合はどうでしょうか。
人工宝石に加工していたりガラス細工で遺骨を加工していた場合に、その手元供養品はどうするのでしょうか?
先祖代々受け継いでいくのであれば問題ないでしょう。
しかし、一度よく考えてみて下さい。
小さく加工された遺骨を、先祖代々受け継いで行くことは困難に思えませんか?
基本的に散骨業者は、自然に還らない物を撒くことはしません。
そのため散骨業者に頼んで、加工された遺骨を自然に還すことは難しいと思われます。
では、法律的なことは抜きにして家族で加工された遺骨を、自然に還すことは可能なのでしょうか?
答えは可能です。
もう一度言いますが、法律的なことは考慮せずに自然に還すことは可能です。
※違法に問われる可能性があります。
こっそり海や山に撒いてしまえば、誰にもわからず出来るでしょう。
しかし、これを供養方法として受け止めることができるでしょうか?
疑問に思ってしまいます。
このような行為は、処分に困って自然に遺棄していると思われても仕方がないのです。
遺骨処分をしているのと、何ら変わりはありません。
分骨の注意点
遺骨を身内などで分けることを分骨と言います。
この分骨ですが、気を付けなければいけない事があります。
2寸ほどの骨壺に分けた遺骨を納め自宅供養していた例です。
その方がお亡くなりになり、親戚の方が遺品整理をしていた際にその骨壺を発見されました。
しかし、その遺骨が誰のものなのか、動物の骨なのかも分からず処分に困ってしまった例です。
遺骨を分骨して自宅供養していた本人は良いのですが、その後の事までしっかり考えておかないと、誰かに迷惑をかけてしまうことがあるのです。
分骨証明書や埋葬許可書があれば、誰の遺骨かわかるので良いでしょう。
安易な考えから、分骨や加工された手元供養品を手にするのではなく、その先まで考える必要があることを自覚することが大切になってきます。
故人を証明する書類は、原本がなくてもコピーを用意しておくことが望ましいと言えるでしょう。
【まとめ】
手元供養品について否定的な話になっていますが、全ての手元供養を指しているのではありません。
自宅などで供養して心のよりどころになっているのであれば大変良い事です。
好みの骨壺に遺骨を納めて自宅で供養した方が、お墓よりも良いのではないかと思います。
しかし遺骨を加工した手元供養については、最終的にどうするのか考えないといけないと言いたいのです。
遺骨は加工してしまうと元に戻すことは不可能です。
その加工された遺骨を先祖代々受け継いでいけるのでしょうか?
手元供養が選ばれるメリットやデメリットについて解説しました。
お墓が遠方でお参りできないような場合でも、自宅で供養できるというメリットがあります。
しかし、故人の遺骨を自己満足の為に加工していませんか?
遺骨を加工するリスク…もう一度よく考えてみて下さい。
遺骨の供養方法…間違った方向に進まなければ良いのですが…
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